主な屋根材7種類を比較!
主な屋根材7種類を紹介します。
屋根材によって耐用年数や価格相場が異なるほか、耐震性やメンテナンスなど特徴も違います。
「屋根のリフォームを考えている」「自宅の屋根材がわからない」という方は、ぜひ参考にしてください。
屋根材の特徴まとめ
- 特徴
- 価格相場
- 耐用年数
- 粘土瓦
-
- 耐用年数・断熱性・遮音性が高い
- 価格が高め、施工できる職人が少ない、耐震性が低い
- 9,000〜12,000円/m2
- 50年〜
- セメント瓦・コンクリート瓦
-
- 燃えにくい、色やデザインが豊富
- 耐震性が低い、塗り替えが必要
- 6,000〜10,000円/m
- 30年前後
- 化粧スレート
-
- 価格が安い、色やデザインが豊富、軽量で地震に強い
- 紫外線に弱い、塗り替えが必要
- 4,500〜8,000円/m2
- 20〜25年
- 天然スレート
-
- 耐用年数が長い、塗り替えが不要
- 価格が高い、耐震性が低い
- 10,000円〜/m2
- 20年以上
- トタン
-
- 価格が安い、施工しやすい、軽量で地震に強い
- サビやすい、断熱性・防音性が低い、耐用年数が短い、塗り替えが必要
- 5,000〜6,000円/m2
- 10〜20年
- ガリバリウム鋼板
-
- 価格が安い、サビにくい、耐震性が高い
- 断熱性・防音性が低い、塗り替えが必要
- 6,000〜9,000円/m2
- 30年程度
- アスファルトシングル
-
- 色やデザインが豊富、価格が安い、加工しやすい、耐震性が高い
- 湿気に弱く劣化しやすい、塗り替えが必要
- 5,000〜6,000円/m2
- 20〜30年
屋根材7つを比較!リフォームやメンテナンスの参考に
粘土瓦
天然素材の粘土が材料の伝統的な陶器の瓦です。
釉薬を塗布し、色やツヤを出した「陶器瓦」、釉薬を塗布していない「いぶし瓦」「素焼き瓦」などがあります。
- 特徴
- 屋根材の中で最も耐用年数が長い粘土瓦は、耐火性、防水性があり、遮音性、断熱性にも優れています。瓦の再利用ができ、塗り替えの必要もありません。
一方、高い施工技術が必要なため対応できる職人が少ない、価格が高い、といったデメリットがあります。また重量があるので建物の耐震強度を高める必要があります。
- 価格
- 工事価格は9,000〜12,000円/m2で、屋根材の中で高価格です。
- 耐用年数
- 耐用年数は50年以上で100年もつともいわれています。1,000年以上経ったお寺でも使われているほどの耐久性があります。
セメント瓦・コンクリート瓦
セメント、水、砂を主原料とした瓦です。加圧形成されるプレスセメント瓦と、表面にセメントの着色剤が厚めに施されているコンクリート瓦があります。
一時は人気の屋根材でしたが、現在は製造・販売を行っている業者は少なくなっています。
- 特徴
- 粘土瓦よりも安く、寸法のばらつきが少ないので施工が容易な屋根材です。
色やデザインが豊富で、燃えにくく、遮音性、断熱性が高いといった特徴があります。
一方、粘土瓦より耐用年数は短く、瓦自体に防水性がないため塗装が剥げると瓦の破損や雨漏りの原因になることもあります。また水を吸いやすいので、コケやカビが生えやすくなります。塗り替えが必要な屋根材です。
- 価格
- 工事価格は6,000〜10,000円/m2。粘土瓦より安く施工ができます。
- 耐用年数
- 30年前後ですが、経年劣化により塗り替えが必要です。
化粧スレート
セメント成分に繊維質の材料を混ぜて加工した薄い板状の屋根板で、現在、屋根材の中で最も普及している人気の屋根材です。
「カラーベスト」「コロニアル」などとも呼ばれています。
- 特徴
- 生産量・流通量が多いため価格が安く、デザインやカラーバリエーションが豊富な屋根材です。軽量で施工しやすいため、対応できる職人が多いのも特徴です。
一方、年数が経つと劣化しやすいため塗り替えが必要になるなど、こまめなメンテナンスが必要です。
- 価格
- 工事価格は4,500〜8,000円/m2。安い価格で施工ができます。
- 耐用年数
- 20〜25年です。約10年で塗り替えを行う必要があります。
天然スレート
天然の岩石を使用した屋根材です。
ヨーロッパなどの家で古くから使用されており、重厚感や高級感があるのが特徴です。
- 特徴
- 自然素材なので再利用ができ、葺き直しが可能な屋根材です。
一方、粘板岩の加工や施工に高度な技術が必要なため、対応できる職人が少なく、屋根材自体の価格も高めです。また重量があるので、建物の耐震性を高くする必要があります。
- 価格
- 使用されている粘板岩は貴重で、ほとんどが輸入品のため工事価格は、10,000円〜/m2と高価格です。
- 耐用年数
- 20年以上ですが、割れない限りは使い続けられ、塗り替えの必要もありません。
トタン
鉄板を亜鉛メッキで加工した屋根材で、一昔前の住宅で多く使われていました。
- 特徴
- 低価格で施工がしやすく、軽量で耐震性に優れていますが、メッキがはがれるとサビやすい屋根材です。
継ぎ目が少ないので雨漏りは少ないですが、防音性が低く雨音が響きやすい素材です。
また耐用年数が短く、塗り替えが必要です。
- 価格
- 工事価格は5,000〜6,000円/m2で、屋根材の中では最も安い価格で施工ができます。
- 耐用年数
- 10〜20年と短い上、約7〜10年で塗り替える必要があります。
ガリバリウム鋼板
アルミニウム・亜鉛・シリコンでメッキ加工された合金の屋根材です。
これまで普及していたトタンの弱点であるサビやすさを解消し、耐久性が高くなったため、金属系の屋根材では近年最も普及しています。
- 特徴
- トタン並みに価格が安い上、防水性が高くサビにくい素材です。軽量で耐震性が優れているため、屋根リフォームの際の「カバー工法」に向いています。また加工しやすく、複雑な形状の屋根に対応できます。
一方、断熱性、防音性が低いので、断熱工事や防音工事を施す必要があります。また定期的な塗り替えも必要です。
- 価格
- 工事価格は6,000〜9,000円/m2で、耐用年数と合わせるとコストパフォーマンスが優れた屋根材です。
- 耐用年数
- 耐用年数は30年程度と長めですが、10〜15年おきに塗り替えが必要です。
アスファルトシングル
ガラス繊維の基材にアスファルトを含浸(隙間や穴を埋める)させて、細かい石粒をコーティングしたシート状の屋根材です。
北米で普及している屋根材ですが、日本でも使用する住宅が増えている注目の屋根材です。
- 特徴
- カラーバリエーション、デザインが豊富な屋根材です。価格が安く、軽量で耐震性が高いのも特徴です。柔らかいシート状の素材なので、割れることもサビることもありません。また加工しやすく複雑な形状にも対応できます。
一方、経年劣化により、表面の小さな石が落ちてくることがあります。また軽量なので、強風で飛ばされたり剥がれたりする可能性があるほか、湿気に弱いためカビが生えやすく、放置していると劣化が進み雨漏りの原因になることも。
- 価格
- 工事価格は5,000〜6,000円/m2と低価格ですが、施工できる職人が少ないので、業者探しには少々苦労するかもしれません。
- 耐用年数
- 20〜30年で長めの耐用年数がありますが、劣化しやすい素材でもあるので、定期的なメンテナンスと約10年おきに塗り替えの必要があります。